禅宗

禅宗とは、坐禅をおもな修行方法とし,みずから悟りを得ようとする仏教の一派。
6世紀達磨により中国に伝わり、日本には、鎌倉時代に栄西により臨済宗が、道元により曹洞宗が、江戸時代に隠元により黄檗 (おうばく) 宗がそれぞれ伝えられた。

禅宗の主なお寺は、【臨済宗】は妙心寺、大徳寺、別格の南禅寺、京都五山の天龍寺、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺、鎌倉五山の建長寺、円覚寺、寿福寺、浄智寺、浄妙寺。
【曹洞宗】は永平寺、総持寺。
【黄檗宗】は萬福寺。

黄檗山萬福寺
黄檗山萬福寺は、1661年中国から渡来された隠元禅師が開創された日本三禅宗のひとつ、黄檗宗の大本山です。
黄檗宗の儀式作法は中国明代の仏教儀式で行なわれ、読経は黄檗唐韻(中国から伝わった当時の発音)で発音し中国明代の法式梵唄を継承している。
総門・三門・大雄寶殿

【達磨忌】(10月5日)
 10月5日は達磨大師の命日。達磨大師は円覚大師とも呼ばれる禅宗の初祖。その大師の遺徳を偲ぶ報恩の法要が執り行われた。
◆祈りのお経
 法要は、始まりを知らせる巡照板、半鐘、大太鼓が鳴り響き、続いて木魚、引鏧(いんきん)、磬子(けいす)、等が交互に重なりながら、静かに時に力強く堂内に流れ、香讃と言われる梵唄(黄檗宗では声明のことを梵唄と云う)に始まり、唐音で読まれる経文が朗郎と唱えられていく。そして真言、結讃、廻向のあと、磬子(けいす)と引鏧で静かに法要は終わる。
 ※引鏧(いんきん、柄付の小型の金椀)  
  磬子(けいす、大型の金属椀)

<法要次第>
  鳴り物(巡照板・半鐘・引鏧(いんきん)・大太鼓・磬子(けいす)等)
 ~香讃(香讃とは法要の最初に詠むお経でお香を焚いて場を浄める為のお経。)
   ※黄檗宗のお経の中で他宗派では見られないもので香讃と言われるものがある。これは鳴り物が入り    節が付くお経(梵唄)で、香讃は法要の最初に詠むお経でお香を焚いて場を浄める為のお経。
 ~千手千眼無礙大悲陀羅尼(木魚と半鐘と共に読経)
 ~般若波羅蜜多心経(ぽぜぽろみとしんきん)
 ~真言(変食真言、甘露水真言、普供養真言)
 ~結讃?廻向?
 ~磬子と引鏧(終)
 
◆祈りの聲・経のひとしずく
   力強い大太鼓の音と透き通るような引鏧の音が絶妙に調和して響き、吊るされている垂れ幕の鈴が風に吹かれ微かに色を添える。
   引鏧、太鼓、木魚、半鐘等鳴り物に合わせて梵唄が緩やかに唱えられる。
     梅壇海岸 爈爇名香(ちぇんたんはいがん るぜみんひゃん)…
     …南無香雲蓋菩薩摩訶薩(なんむひゃんいんかいぷさもほさ)
   木魚と半鐘と共に唐音で唱えられるお経。
     千手千眼無礙大悲陀羅尼
       南無聖観世音菩薩 なんむしんかんつさいぷうさ… 
     般若波羅蜜多心経(ぽぜぽろみとしんきん)     
       観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 かんつさいぷさ へんしんぽぜぽろみとす…
   最後に磬子(けいす)と引鏧が重なり合って鳴り響き静かに終わる。

◆巡礼の記
  初めて黄檗宗のお経を聞き、感動。多彩な鳴り物、そして時に激しく、時に深く静かに鳴り響く
  その音色。鳴り物に合わせて唱えられるお経。そのお経も唐音と呼ばれる伝来当時の中国の発音。
  私にとってそのすべてが初めてのものばかり。改めて、仏教のお経、声明のその奥の深さを感じた。

臨済宗
準備中
曹洞宗
準備中