寺の音聲・仏のささやき

お寺を歩くといろいろな音が流れています。 お経、梵鐘、風の音、木々の葉が風に揺らぐ音、水の音、川のせせらぎ、鳥のさえずり…。 それはお寺の音、仏のささやき、私たちへの語りかけ。

水琴窟
   このお寺の水琴窟は理智不二水琴窟と言うそうです。 『不思議なる生命原理とその働きとが一つとなって有る現実の大調和の慈悲と智恵の世界を理智不二といいます。
  左右二つの異なる水琴窟の妙音を通してこの調和の心を体感されて下さい。院主合掌』と立札に記してありました。ふたつの音色の違いと外の鳥のさえずりの声とが織り成す
  清らかな水の音を聞くことができました。
聲明
聲明は、お寺の伝統的な法要・儀式で唱えられる音楽のことです。 お寺の法要の中で、儀式を行なう所に本尊や仏様を呼んだり、仏様の徳を讃えたりする讃歌です。個々の法要の聲明は、「お経巡礼」のなかの「祈りの声・経のひとしずく」でご紹介していますが、ここでは、特に私の心に残った声明をご紹介したいと思います。
 
◆理趣経(中曲)讃嘆の偈「善哉」の二部合唱   
  先日、聲明が二部合唱で唱えられるのを拝聴しその美しさに感動しました。それは、真言宗のお経、理趣経(中曲)の讃嘆偈「善哉」のある部分が二部合唱で唱えられたものでした。何の予備知識もない私にとって聲明が二部合唱で唱えられるのを聞いて驚くとともに、改めて聲明の奥深さに心が震える思いでした。