華厳宗は、『大方広仏華厳経』(『華厳経』)を拠り所とした宗派で、開祖は中国の杜順。日本仏教における華厳宗は、審祥により736年に伝えられた。
南都六宗の一つ。
東大寺は、奈良県奈良市にある華厳宗大本山の寺院。 金光明四天王護国之寺ともいい、奈良時代(8世紀)に聖武天皇が国力を尽くして建立した寺。
「奈良の大仏」として知られる盧舎那仏(るしゃなぶつ)を本尊とし、開山(初代別当)は良弁。
華厳宗
- 東大寺
【千僧法要】(2019年4月26日)
・この法要は、正式には『全日本仏教青年会 仏法興隆花まつり 千僧法要 ~慈悲の行動、世界平和の祈り~』と呼ばれている。
・全日本仏教青年会が、昭和63年より毎年4月26日に仏法興隆と世界平和を願い、東大寺において開催している。
全国各地から多くの青年僧が参集し、宗派の垣根を超え、お互いを尊重しあい、慶讃の人々とともにこの法要が営まれている。
東大寺の毘盧遮那仏の御前にて仏教徒としての誓いを新たに、仏法興隆と世界の平和を祈る法要。
◆祈りのお経
全日本仏教青年会に所属する各宗派が順番にお経を唱えていく。
法要次第並びに法要の中で唱えられたお経は次の通り(一部どの宗派のなんというお経かわからないものがありました。)
式衆入堂 ~ 開会 ~ 東大寺幼稚園児による歌 ~ 雅楽 ~
~ 各宗のお経(経名及び宗派)
( 四智讃(天台宗) / 四奉請 / 開経偈 / 般若心経(真言宗・曹洞宗) / 観音経 /
日蓮宗 / 融通念仏宗 / 仏讃(真言宗) / 四弘誓願 )
~ 雅楽 ~ 式衆退堂
◆祈りの聲・経のひとしずく
天台宗の僧がとなえる声明、四智讃。オン バサラ サタンバ シギャラカ・・・
奉請十方如来 入道場 散華楽 ・ 奉請釈迦如来 入道場 散華楽
奉請弥陀如来 入道場 散華楽 ・ 奉請観音勢至諸大菩薩 入道場 散華楽
真言宗と曹洞宗の僧が唱える般若心経
融通念仏宗の僧による読経
僧全員による四弘誓願読経
衆生無辺誓願度 煩悩無量誓願断 法門無尽誓願智 仏道無上誓願成
◆経巡礼の記
その日は、夫婦で奈良国立博物館と東大寺に参拝。博物館では、藤田美術館展で天目茶碗が目玉の展覧会をみる。
その前に、東大寺で千僧法要が営まれるということを知り、いったいどのような法要だろうかと興味をそそられて
参拝する。
全日本仏教青年会に所属する宗派の僧が全国から集まって営まれる法要で、日本仏教の13宗に南都六宗が一堂に会し、
それぞれの宗派がお経や声明をプログラムに従って順番におとなえしていく。
ひとつの寺院で日本の各宗のお経を聞くことができることはこの法要だけ。この大仏に鎮座する多きな伽藍を持つ東大寺
ならではの催し。 各宗派のお経を巡礼している私にとって本当に興味深く楽しい法要で、お経を満喫した。
律宗
律宗を日本に伝えたのは、鑑真です。 本山は唐招提寺。
- ※奈良時代に平城京を中心に栄えた6つの日本仏教の宗派を南都六宗(奈良仏教)と呼びますが、律宗はその一つです。南都六宗のうち、現在も残っているのは、律宗・法相宗・華厳宗の3つです。
- 唐招提寺
【釈迦念仏会】(2019年10月21日)
鎌倉時代に貞慶(解脱上人)が始めた法要。鑑真和上が中国から持って来られた仏舎利を本尊とし、釈尊の宝号「南無釈迦牟尼仏」を唱える法要で、800年の伝統がある行事。
21・22日の昼の法要後には、国宝の金亀舎利塔を間近に拝観することができる。
◆祈りのお経
祭文、講式に続き「釈迦念仏」が 深く静かに唱えられる。
◆祈りの聲・経のひとしずく
念仏「南無釈迦牟尼仏」
◆経巡礼の記
午後2時頃、鐘の音と廊下をたたく音を合図に式衆が入道。導師の祭文、供養文が45分位続いた後、深く低く静かに
「南無釈迦牟尼佛」が唱えられた。読経はその「南無釈迦牟尼佛」だけ。
法要の終わりごろ、釈迦念仏会にあわせて、如来舎利三千粒が収められている国宝・金亀舎利塔が二人の僧に運ばれて礼堂の廊下に運び出された。
その金亀舎利塔と重要文化財の釈迦如来立像が参拝者に公開され、拝することができた。