・真言宗は、弘法大師空海によってに開かれた。
・新義真言宗の流れを汲む主な寺院は、新義真言宗総本山根来寺、豊山派総本山長谷寺、智山派総本山智積院。
・「大日経」「金剛頂経」が根本経典として重要なよりどころとなっているが、日常の法要では、「般若心経」「観音経」「理趣経」などが読まれている。
・新義真言宗のお経(声明)は、明快で起伏のある旋律を描き、華やかな旋律を持つところに特徴があると言われている。
真言宗(新義)
- 根来寺
-
【大施餓鬼会】 (2013年8月4日)
・「施餓鬼」とは餓鬼に施すということで、「餓鬼」とは六道(天上道・修羅道・人間道・畜生道・餓鬼道・地獄道)のうち、餓鬼道に落ちて苦しんでいる亡者のこと。
自分の力では、この苦しみから脱することができない餓鬼に食べ物を施すというのが「施餓鬼供養」。
根來寺では、塔婆供養も合わせて、一山総出仕のもと大施餓鬼法要が営まれる。施餓鬼会が修される光明殿
光明殿の前の池に蓮の花が咲いていた。
◆祈りのお経
四智梵語~理趣経~ご真言~般若心経
◆祈りの聲・経のひとしずく法要の始まりを知らせる鐘の音と入堂の鈴
◆経巡礼の記
夏の暑い日の午後、蝉の声が全山を覆う中での法要だった。 じっと座っているだけで、汗が滲む。 時折、お堂の中を心地よい風が吹き抜ける。 蝉の鳴き声と合わせるようにお経が唱えられていく。
【伝法堂ご法楽】(2015年11月1日)
伝法堂は、根來寺の本堂で江戸時代の後期文政10年(1827年)に再建され、本尊は大日如来、脇仏は金剛薩埵(こんごうさった)、尊勝仏頂(そんしょうぶっちょう)。
伝法堂は真言宗の最も大切な修法を伝える道場で「傳法大会」「傳法潅頂」など、僧侶が厳しい修行をする場所。
法楽とは、仏の教えを信じ行うことによって得られる喜び,楽しみを意味している。その喜びを仏に感謝するための法要が伝法堂ご法楽と言われている。伝法堂正面
伝法堂を後にする僧
◆祈りお経
四智梵語~理趣経~( ? )
◆祈りの聲・経のひとしずく
深い響きのお経
何というお経か分らないが・・・
◆経巡礼の記
・9時45分頃、伝法堂の前に立つ。10時になったが、法要の始まる気配がない。 今日は阿字観実習を隣の大塔で開催されているので、ご法楽は中止なのだろうかと不安に思いながら立っていると、ちり~ん、ちり~んというリンの音が聞こえてきて、お坊様3名がこちらに歩いてくるのが見え、安心する。
・お坊さんに従って、堂内に入る。いよいよ法要が始まる。深く静かな声明の後、般若理趣経の読経が広い堂内に拡がる。目を閉じてお経を聞いていると、お経の響きが身体の中にしみこんでくるようだ。 私にとってこの時が至福の時。
【弘法大師御影供】(2016年2月21日)
・真言宗の開祖弘法大師空海は835年3月21日に亡くなられた(入定)。
この入定の日に勤修される法会を御影供といい,毎年一回修される正御影供(しようみえく)と月ごとの月並(つきなみ)御影供がある。
この日行われたのは、毎月21日に修される月並御影供。
法要は、大塔の隣にひっそりと建つ大師堂でおこなわれる。
◆祈りのお経
四智梵語~理趣経◆祈りの聲・経のひとしずく
境内に響き渡るお経(映像)
◆経巡礼の記
・午前10時本堂からちりんちりんの音とともに、4人の僧が御影堂に向かってくる。御影供は大塔の横にひっそりと佇む大師堂で行われた。
参列する人はだれもおらず私一人。大師堂の外でひとり佇んでお参りする。風が吹いていたが、2月にしては暖かい日。読誦されるお経は朗々と境内に響き渡った。
【両祖大師降誕会】(2020年6月17日)
・根来寺では、「両祖大師降誕会」・「先徳忌」・「報恩講」を三大法要と位置づけ、毎年、新義真言宗寺院の僧が出仕して行われています。
・真言宗の祖・弘法大師は774年6月15日、讃岐国多度郡屏風浦(香川県善通寺市)に誕生されました。
また、真言宗中興の祖で、根來寺開山の祖・興教大師は1095年6月17日、肥前国藤津庄(佐賀県鹿島市)に誕生されました。
この「両祖大師降誕会」は、お二人のお大師さまのご誕生をお祝いするために、毎年6月17日に行われる法会です。
◆祈りのお経
入堂 ~ 四智梵語 ~ 云何唄 ~ 散華 ~ 對揚 ~ 祭文 ~ 理趣経 ~ 御宝号 ~ 退堂
◆祈りの聲・経のひとしずく
鏧の音に導かれて式衆が入堂。堂の裏手の森から鶯や野鳥の鳴き声が聞こえてくる。
オン・バンザラサ・トバ… 野鳥の鳴き声と共にお経が静かに始まる。。
云何得長寿… 唄師が字音を長く引き伸ばしながらゆったりと荘重に独唱する。
南無法界道場三蜜教主遮那尊 「次第取り」の方法で唱えられる。
◆経巡礼の記
久しぶりに法要に参拝しました。コロナが広がり始めた2月末から約3ヶ月ぶりの参拝。
境内にはあじさいが、そして光明殿の横の池には睡蓮がきれいに咲いていました。
法要は、新義真言宗の三大法要のひとつ、両祖大師降誕会。光明殿で行われました。 コロナ対策として、参拝する方の
席は間を開けて全部で10席ぐらい設けてありました。
私は、光明殿の中には入らず、正面入り口の石段に座って参拝しました。
お経と調子を合わせるように、ウグイスや小鳥のさえずりが聞こえ、また涼しい風が吹いて大変気持ちよい時間を過ごす
ことができました。
◇お寺の境内に咲く紫陽花
◇光明殿の横の池に咲く睡蓮の花
- 長谷寺
-
【仏名会】(2016年1月10日)
・仏名会は、現在、過去、未来のそれぞれ千仏の名前をお唱えし、過去の罪を減ずる法要。
午前は9時から「四箇法要」と呼ばれる声明を中心とした法要を行い、午後1時からはリズミカルに仏名をお唱えする礼拝行が行われる。仏名会は三日間にわたって行われる。
本堂本尊大観音菩薩の前で法要は営まれた。
◆祈りのお経
唄 ~ 散華 ~ 梵音 ~ 錫杖
◆祈りの聲・経のひとしずく
◆経巡礼の記
9時前参拝者の姿は少なくちらほら。女性2名の方と始まるのを待つ。
9時前5分ごろか、太鼓の音が鳴り響く。
そして9時、鈴の音とともに、職衆が入堂。法要が始まる。
四箇法要を唱えられるとのことで耳を澄まして聞いたが、ほとんど何のお経をあげられているのかわからなかったが、長谷寺独特の節回しでしんみりと聞くことができた。
今回は、午前の四箇法要しかお参りできなかったが、次回は午後の礼拝行をお参りしたいと思っている。
【定例法要】(2016年9月26日)
・長谷寺では毎日午前11時から定例法要が行われている。
本尊十一面観世音菩薩像の御前にて、故人の冥福や先祖供養、家内安全などのご祈願を祈りを捧げる。本堂の舞台正面。この奥に正堂(内陣)がある。
本堂の礼堂(外陣)から見える山々がお堂の板敷に映る。
◆祈りのお経
四智梵語~理趣経~ご真言~回向
◆祈りの聲・経のひとしずく 境内の流れる理趣経。木々の葉音と蝉の声とお経の声が境内を流れる。 正午を知らせる梵鐘と法螺貝の音が周りの山々にこだまする。 秋蝉の声と境内を流れる小川のせせらぎが静かに秋の訪れを告げている。
◆経巡礼の記
彼岸会の最終日だったが、月曜のためか、参拝者が少なく、ゆっくりとお参りすることができた。
法要が終わり、境内の小道を降りる途中、小川のせせらぎの音や秋蝉の声、風に吹かれる木々の葉のさわめきが静かに流れていた。
【修二会】(2017年2月13日)
修二会は、旧年の罪科を懺悔し、新しい年の安寧を祈る法要。
毎年2月8日から14日まで行われ、8日から13日までは、毎日14時から法要が行われ、 最終日の14日は修二会の結願法要、だだおしが催される。
だだおし法要は、春を呼ぶ祭りと言われ、お加持で得た法力で鬼を追い払う火祭りで大松明と共に暴れまわるが、この松明の燃え残りを持ち帰ると無病息災を得ると言われている。
◆祈りのお経
聖観音真言 ~ 云何唄 ~ 散華 ~ 回向句 ~ 唱禮(金剛界)
~ 四智梵語 ~ 金剛界禮懺
◆祈りの聲・経のひとしずく 法要は重厚で静かな読経で始まる。 職衆は、法螺と太鼓と共に、本尊十一面観音菩薩の足元の周りを走り回る。
◆経巡礼の記
残念だが、修二会結願のだだおしにはお参りすることができなかった。
私がお参りしたのは、前日の13日の修二会の法要。
聖観音真言が深く静かに唱えられ法要は始まった。
「おん まか あろりきゃ そわか」の読経に続き、法螺と太鼓とともに職衆が
本尊の十一面観音菩薩の足元の周りを走り周る。
導師が入堂し、修二会の法要が続けられていった。
- 深川不動堂
-
真言宗智山派 成田山新勝寺の東京別院 深川不動堂にお参りした。
深川不動堂は、東京メトロ東西線の門前中町駅から歩いて2、3分の所にある。 東京に単身赴任中に、太鼓の音に魅せられて数回お参りした。
【加持祈祷】(2016年10月7日)
護摩は古代インドの儀礼「ホーマ」を起源とする真言密教の秘法です。ご本尊不動明王のご宝前に設けられた護摩壇にさまざまな供物と、私たちの煩悩を象徴する護摩木をくべて、ご本尊に捧げます。燃えさかる火炎は不動明王の智慧そのものであり、煩悩を清らかな願いへと高めて成就させる力を持つといわれています。(HPより)
・護摩祈祷は、毎日5ないし6回行われている。当日は、午後3時からの祈祷をお参りした。
◆祈りのお経
・祭壇の前に立てられた「御護摩修行読誦経典」に、当日の次第が書かれてあった。
先 錫杖経
次 般若理趣経
次 般若心経
次 仏説聖不動経
次 諸真言
次 不動明王ご真言
次 大金剛輪陀羅尼
次 一字金輪
◆祈りの聲・経のひとしずく
鈴と法螺で始まりを知らせる。 静かに唱えられるお経と鈴。 お経の声が聞こえないほどの大太鼓の音が響き渡る。
◆経巡礼の記
久しぶりに参詣する。 今まで正面にあった本堂は、旧本堂の右手に新たに建設され、御祈祷の祭壇も移されていた。 正面には、木彫りの大きな不動明王が安置されている。
午後三時、当日4回目の御祈祷が始まる。
始まりの鐘、鈴そして法螺の音に続き、お祓いの後、静かに読経が始まる。
突然、太鼓が打ち鳴らされ、驚かされる。
そして「般若理趣経」が大太鼓の音とともに、唱えられていく。 迫力ある大太鼓の音で、お経を読誦する声はほとんど聞こえない。 耳をつんざくような大太鼓の音、かすかに聞こえるお経の声。 思わず祈祷の世界に吸い込まれていくような感覚。
ただただ、大太鼓の音に圧倒され、呆然とするばかり。
大太鼓の音と共に聖不動経、真言、大金剛陀羅尼が唱えられ、興奮を鎮めるように、法螺、鈴が静かに響き渡り、祈祷は終わった。
終わった後のこの爽快感!感動! 他では味わうことにできない空間、時間だった。
- 智積院
【冬報恩講】(2016年12月12日)
冬報恩講は宗祖・弘法大師空海の教えを復興された興教大師(こうぎょうだいし)覚鑁(かくばん)の功績に感謝し、根来伝来の教えを継承することにより、その恩に報いることを目的に行われる法要です。
真言宗中興の祖・興教大師が入滅された12月12日を期して行う「出仕論義」(12月11日)・「陀羅尼会」(12月11日夕方から12日深夜にかけて)・「御法事」(12月12日)の3つの法要をあわせて冬報恩講といいます。
「出仕論義」は真言宗の教義について『大日経疏』をもとに毎年、化主猊下より論題が出題され、問答によって論議する法要です。
「陀羅尼会(だらにえ)」は、罪障消滅(じょさいしょうめつ)などで唱えられる尊勝陀羅尼(そんしょうだらに)を興教大師覚鑁が祀られている密厳堂(みつごんどう)で、一晩中読誦する法要です。
「御法事(ごほうじ)」は報恩講を締めくくる法要です。 冬報恩講は、金堂を始めとする諸堂伽藍が美しく荘厳され、冠木門(かぶきもん)から金堂、そして密厳堂への参道両側に提灯が提げられます。それぞれの法要には全国から多くの僧侶が集まり、総本山智積院の最も荘厳な行事の一つです。(智積院HPより)綺麗に荘厳された金堂正面
金堂に続く参道には提灯が飾られていた。
◆祈りのお経
唱礼(金剛界) ~ 理趣経
◆祈りの聲・経のひとしずく
◆経巡礼の記
冬報恩講の最終日の「御法事」に参拝。金堂に響きわたるお経。
大勢の僧が唱える一糸乱れぬお経の声に心がふるえた。