浄土宗

・浄土宗は、法然によって開かれた宗派で、知恩院が総本山。
南無阿弥陀仏と称えれば、だれでも極楽浄土に往生でき、救われるという教えである。
・所依のお経は、浄土三部経(無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経)で、特に「観無量寿経」を重視しているといわれる。

知恩院
 三門 ~ 大鐘楼 ~ 池から望む納経堂

【彼岸会】(2012年9月25日)
・彼岸会は、春分の日と秋分の日を中日としてその前後3日間、菩提(ぼだい)の種を蒔く(迷いから離れようとする心をおこすこと)日といわれる7日間にわたって行われます。 この「彼岸」とは、もともと此岸(しがん)とよばれるこの世から、彼の岸(彼岸:ひがん)である極楽浄土に想いをはせる行事で、極楽浄土へ生まれかわりたいと願う信仰実践の期間とされています。
知恩院の彼岸会法要では、法然上人御堂(集会堂)の内陣に、浄土宗で大切にしている『浄土三部経』の一つである『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』の世界を絵ときした「観経曼陀羅(かんぎょうまんだら)」が掲げられます。 この「観経曼陀羅」によって私たちは、より具体的な極楽浄土の世界をより身近に感じることができます。
 極楽浄土におられる阿弥陀様を想い「南無阿弥陀仏」と称え、今日ある自分を育んでくれた数多くのご先祖様や亡くなられた大切な方の追善供養につとめましょう。(知恩院HPより)

◆祈りの聲・経のひとしずく
 小気味よい木魚の音と共に、念仏が唱えられる。

◆経巡礼の記
 法然上人御堂の大広間には、多くの参拝者が彼岸会の始まるのを静かに待っていた。小気味よい木魚の音と共に、「南無阿弥陀仏」のお念仏が唱えられ、法要が始まる。リズミカルな念仏に続き、柔らかいゆったりとしたお念仏、経文の念誦、廻向となり、彼岸会は厳かに終わる。浄土宗のお経は、木魚と鐘の音とお経の織り成すお念仏中心の法要と感じた。

【祖師先徳讃迎大法会】 (2017年2月17日)
 ・「恵心僧都一千年御遠忌報恩法要」
 恵心僧都源信和尚は比叡山の僧侶で、『往生要集 』を著し「日本における浄土教の大成者」と言われ、日本の浄土の教えとお念仏の行は恵心僧都から発せられたと言っても過言ではないと言われている。
その恵心僧都の一千年御遠忌報恩法要が、天台宗比叡山延暦寺と浄土宗総本山知恩院の合同で営まれた。
法要の次第は概略以下の通り。
 (入堂) ~ 散華 ~ 表白 ~ 四奉請 ~ 甲念仏 ~ 開経偈 ~ 阿弥陀経 ~ 後唄 ~ 
  別廻向(念仏法語等) ~ (出堂)

◆祈りの聲・経のひとしずく
  願我在道場 香華供養佛・・・ (華の芳香によって悪い鬼神などを退却させ、道場を清めて仏をお迎えする)
  奉請十方如来 入道場 散華楽・・・(諸仏を奉請する(招き入れる)ための祈りの唄)
  夫れ一切衆生、三悪道をのがれて人間に生るること大いなるよろこびなり。・・・(妄念煩悩の凡夫であっても、本願をたのんで念仏すれば、臨終の時に来迎にあずかって浄土に往生できると説かれている。)