天台宗は、伝教大師最澄によって日本に伝えられた宗派で、比叡山延暦寺が総本山。中尊寺が東北大本山とされる。
門跡寺院として、三千院、妙法院、青蓮院(天台三門跡)などがある。
・所依の経典
法華三部経(法華経・無量義経・観普賢経)
・日常読誦されている聖典
法華経の妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五(観音経)、妙法蓮華経如来寿量品偈(自我偈) 、阿弥陀経、般若心経、円頓章、十句観音経などが広く読まれている。
※朝題目に夕念仏と言われ、朝は法華経を読誦し、夕方は阿弥陀経を読誦し、念仏を唱えるのがならわしとなっている。
天台宗
- 三千院
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【御懺法講】 (2012年5月30日)
・懺法というのは知らず知らずのうちに行なった罪科を懺悔して、心の中にある「むさぼり・怒り・愚痴」の三毒を取り除き、心をさらに静め清らかにするという、天台宗にとっては最も大切な法要儀式。又、ご先祖様に対して報恩感謝の誠を捧げる法要です。この法要は声明懺法ともいって声明と雅楽が合わさって古儀にのっとり宮中法会が再現される。門に立てられた法要を知らせる看板
宸殿に設けられた一般参詣人のためのしつらえ。
御懺法講次第
法要で唱えられるお経が書かれている冊子
◆祈りのお経
(入堂)~総礼~伽陀~三禮~七仏通戒偈~四奉請~甲念仏~仏説阿弥陀経
~合殺~回向~後唄~大懺悔~五念門~(出堂)
◆祈りの聲・経のひとしずく
仏教で最も大切な教えを唱える。
終りに再度懺悔する。
◆巡礼の記
天台宗そして三千院にとって、重要な法要とあって、宸殿の中は職衆、招待参拝 者でいっぱい。宸殿の中には招待者しか入れないため、一般人は、宸殿の入り口 の階段(あつらえ)から参拝。厳粛で格式高い法会と静かなたたずまいの庭園に心洗われる思いだった。
【星供】 (2013年2月28日)
・流れ星を見たら消えぬ間にお願い事をすると願いが叶うと言われる。自分と縁の深い星を供養し、お願いするのがこの星供法要だ。
◆祈りのお経
入場~ 法要開始 法要 般若心経読経 星供真言 ~終了
◆祈りの聲・経のひとしずく
◆巡礼の記
入り口で、お清めをしていただき、宸殿の中に入る。
星供法要の営まれる宸殿は、一筋の光も入らないように四方の扉が閉じられて いる。
宸殿の中央には、数え切れないほどのろうそくが灯され、荘厳で幻想的な雰囲気の中で、法要は営まれた。
- 比叡山延暦寺
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・中国で天台宗を開いた天台大師智顗(ちぎ)の命日に当たり、天台大師智顗への報恩感謝の法要。
◆祈りの聲・経のひとしずく
◆巡礼の記
根本中堂の上の広場から大講堂につながる坂道を、杖を着いた先導役を先頭に きらびやかな衣装をまとった十数名の職衆が鈴の音とともに、ゆっくりと上がっ てくる。静々と大講堂へ入堂。法要が始まる。
- 真如堂(鈴聲山 真正極楽寺)
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・慈覚大師円仁が渡唐されたとき、五台山(ごたいさん)において生身の文殊菩薩から、極楽世界八功徳池の波の音に唱和する妙なる「引声阿弥陀経(引声念仏)」(いんぜいあみだきょう)を伝授されたといいます。
真如堂では、毎年10月14日~16日3日間勤められ、16日が結願(けちがん)です。この法要は、すべての人々が不断の念佛によって極楽に生まれたいという願いを持つように始められたもの。引声の一節に、極楽世界の水鳥樹林の唱える妙音を感じることができれば幸いとか。
◆祈りの聲・経のひとしずく
◆巡礼の記
通常の声明にはない、独特の「クミ由(ゆり)」「ツキ由」「和上(やわらあげ)」「和下(やわらさげ)」などの節回しでとなえられる引声阿弥陀経。まわりの木々のそよぎと共に、悠然と静かに柔らかく本堂のわれわれをつつみこんでゆく。